MaaS×〇〇 前編 ~MaaS実現のその先の社会~

テクノロジー基礎編

MaaSと言えば様々な交通手段を統合し、データの利活用を行いながら交通を最適化する取り組みです。しかしMaaSのゴールは統合と最適化ではありません。

あくまでゴールはその先にある、街つくりやあらゆる産業、社会への波及効果が発言される段階です。

今回はMaaSと様々なサービスが融合したそんな未来を想像しながら、各取り組みについてまとめていきましょう。

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MaaS×〇〇の時代へ

現在のMaaS

現在のMaaSの状況はまさに黎明期です。

黎明期のテクノロジーの特徴は「期待と失望を繰り返しながら密かに様々なサービスと結びつき、普及していく」ということです。

その一例としてインターネットの黎明期のことを考えてみましょう。

インターネットが発達する過程では、過度な期待と失望を繰り返しながら、徐々にあらゆる産業のコアになっていきました。そして現在ではGAFAやBATHのようにインターネットを土壌として発展したサービスが世界に浸透しきっています。

MaaSは今後どうなるのか

交通版のデジタルプラットフォームであるMaaSの上に他産業が参入して、いくつものサービスが発達するのは当然の流れです。現実世界での人の移動やそれに関するデータには莫大な価値があるために、その上に築かれるサービスには大きな可能性があると言えます。

今回はそんなMaaSというプラットフォーム上に築かれるサービスとして以下のものをまとめていきます。

  • MaaS×住居・不動産
  • MaaS×観光
  • MaaS×医療・介護
  • MaaS×小売り
  • MaaS×広告
  • MaaS×働き方・生き方
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MaaS×住居・不動産

人間の生活において、住居と移動は非常に密接なかかわりがあります。それだけにこの分野でのMaaS利用は私たちの生活に大きな影響をもたらすでしょう。

新しい住宅開発

現在世界中でMaaS付き住宅開発が行われています。

MaaS付き住宅の利点

  • 利用者:利便性の向上
  • 不動産業者:住居空間の有効活用
  • 交通業者:新規顧客の獲得
  • 自治体:入居者の増加・持続可能な社会の設計

不動産業者にとってこの住宅開発のメリットは主に駐車場スペースを抑制することが出来るという点です。そのため住居面積を拡大したり、共有面積を充実させたりすることが可能になります。

この開発に連携する交通事業者にとっては新規需要の開拓になり、行政にとっては持続可能な社会の設計・実現が可能になります。不動産事業者・交通業者・行政さらに利便性向上の恩恵を受ける住居者にとって4方良しの取り組みと言えるでしょう。

MaaS×観光

観光地周辺のモビリティサービスの充実とMaaS導入により、エリアの周遊を促進し、インバウンドの取り込みが可能になります。

観光地の中には乗り物同士の連携が悪い地域があり、客足が遠ざかる原因となっています。

そこで注目されているのが、MaaSの概念を観光地の回遊性向上に役立てようという観光型MaaSの取り組みです。

観光地におけるフリーパスなどが以前から存在していました。これをデジタル化して使いやすくしたり、新しいモビリティサービスを取り込めば観光型MaaSの実現にかなり近づくでしょう。

さらに夜間の活動もMaaSによって変化します。

終電が終わればタクシーのみという限定的な移動環境が日本にはあります。しかし、24時間運行であったり、イベントと連動したナイトバス・特別運行列車などがあれば、ナイトタイムエコノミーが大きく変わるでしょう。

MaaS×医療・介護

医療介護分野にMaaSを取り入れることで、まず期待されているのは高齢者への移動の負担が少ないドアツードアのモビリティサービスです。

送迎サービスの超有効活用

その一例として現在取り組まれている高度な介護送迎サービスを見ていきましょう。

日本のデイケアなどの介護サービス事業者は利用者の送迎サービスも手掛けています。エムダブルエス日高が運営する太田デイトレードセンターもその一つです。しかしこの介護施設が他と大きく異なる点は、車両の空席部分や朝夕の送迎ピーク時間以外を活用したオンデマンド乗り合い型サービスを行っているという点です。

この取り組みは、買い物や外食・病院などセンターに通所しない日の移動をサポートするもので、送迎インフラをそのまま効率的に使うことで外出の利便性を向上する取り組みです。

病院とMaaSの連携

病院経営の効率化や過疎地などでも新たなモビリティサービスを導入しやすくなります。

病院予約連携のモビリティサービスとして注目されているのが「Uber Health」です。アメリカの配車サービスのUberが病院と連携して行っているシステムです。

Uber Healthより

このサービスでは緊急性の高くない患者を病院まで運ぶのをサポートします。電子健康記録とウーバーの配車システムが連携しており、受信日の予約時間に間に合うように配車されます。

Uber Healthの導入によって交通が不便だったことで通院頻度が落ちていた患者の問題も解決されることに加え、事前予約で到着時間が守られるためキャンセル率の削減にもつながり、効率的な病院経営にも貢献します。

MaaS×〇〇 後編へ

後編ではMaaS×小売り・広告・働き方についてまとめています。どの分野も非常に大きなお金が絡み、私たちの生活への影響は甚大です。「MaaS×〇〇 後編 ~MaaS実現のその先の社会~」をぜひご覧ください。

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