OMOとは「オンラインとオフラインの融合」です。2016年「eコマースはやがて死ぬ」と発言したアリババ創業者のジャック・マーが見ていた、次のビジネスモデルと言われています。
OMOとは何か・その特徴や利点についてより詳しく知りたい方は「OMO(Online Merges with Offline)とは」をご覧ください。
今回はそんなOMOが企業でどのように導入されているのかに注目して、その具体例をまとめていきます。
OMOの具体例
OMOはあらゆる業種で適応可能です。飲食業、小売業、移動、娯楽などがその代表例です。
ジャックマーが発言しているように、OMOは特に小売業に大きな影響を与えています。eコマースの大手企業の中のいくつかはオフラインのリアル店舗の獲得に乗り出して、OMOに取り組んでいます。
今回はOMOに取り組む代表的企業としてAmazon、アリババ、ウォルマートを中心に見ていきましょう。
Amazon
ホールフーズ買収
私たちにもなじみの深いeコマースの大手Amazonは2017年に、高級オーガニックスーパー「ホールフーズ・マーケット」を137億ドル(約1兆5000億円)で買収しました。
生鮮食品を取り扱う「アマゾンフレッシュ」を立ち上げていましたが、ホールフーズの買収によって高級スーパーとの接地点を新しく作り、オンラインとオフラインの融合を試みています。
実際に、2018年には特定の地域でホールフーズの食品も、2時間以内に無料で配送するサービスを始まりました。
無人コンビニ「AmazonGo」
また、Amazonは無人コンビニであるAmazon Goという次世代の店舗にも取り組んでいます。
AmazonGoではなんとレジが存在しません!
携帯に決済サービスをダウンロードしておき、手に取った商品をカメラが認識することにより、写真のゲートを通るだけで決済出来てしまうのです。
AmazonGoやホールフーズの商品の情報はオンラインから確認でき、オフライン店舗での体験がより快適なものになるのです。
アリババ
家電量販店と接近しタッチポイントに
中国のeコマースで覇権的な地位を占めるアリババも実店舗の獲得に乗り出している企業です。その一例としてスニンという家電量販店チェーンの株を取得し第二株主になっています。
無人コンビニ
アリババもAmazonGoのような無人コンビニを運営しています。
入店時にQRコードを入力し、ICチップが入った商品を取ってそのまま店を出ます。すると、自動でチップが読み取られ、モバイル決済アプリに請求が来るのです。
次世代スーパー「フーマー」
アリババのリアル店舗と言えば名前が必ずあがるのが、フーマーというスーパーマーケットです。
フーマーは普通のスーパーマーケットのような見た目ですが、オンラインでも商品が購入できるのが特徴です。店舗から3キロ以内であれば、アプリで注文した商品を30分以内に配達してくれます。
またその場で料理してくれるレストランとしての機能も備えており、オンラインで生鮮食品を購入する時の品質面の不安解消を助けます。
従来型のオフラインショッピング体験を軸に「スーパー」「レストラン」「野菜果物魚介類の直接販売市場」という三つの価値を体感できるフーマーは、OMOによってショッピングを向上する旗手のような存在なのです。
ウォルマート
ウォルマートはアメリカの大手小売り最大手です。アメリカに行くと非常に大きなウォルマートの店舗が多くみられます。
ウォルマートはAmazonの脅威を早くから認識しており、OMOを取り入れた対策を行ってきました。戦略のテーマとして掲げてきたのが「自宅で注文し、店舗でピックアップ」です。
ウォルマートの店舗にあるピックアップタワーはその取り組みの象徴ともいえる存在です。
ネットで注文した時のQRコードを店舗にあるタワーに読み込ませると、すぐに商品が出てきます。これにより買い物のストレスや宅配待ちのストレスを減らし、かつオンラインでも有効に集客を行えます。
まとめ
OMOを積極的に推し進めている小売業大手の三社について見てきました。
どの企業もデータ中心のビジネスモデルでありながら、リアルな店舗も顧客との接点にしていこうという意図でしたね。
「eコマースはやがて死ぬ」というジャックマーの発言もあり、今までのようなオンラインショッピングでは生き残れないという大手企業の感覚が垣間見えました。
小売業以外でもどのようにOMOを達成していくのか注目していきたいですね。
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