決済システムとしてのリップル 国際送金×ブロックチェーンの試み

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仮想通貨の普及と値上がりによってビットコイン以外の通貨にも目が向けられるようになりました。その中の代表的な通貨の一つがリップル(XRP)です。

今回はそんなリップルについての情報をまとめていきます。

仮想通貨の価格が今後どうなるかは、その通貨の背景によって大きく左右されます。このサイトを読めばリップルの持つ「仮想通貨×国際送金」という特徴が分かりやすく掴めるように整理していきます。

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リップルとは 3つの意味で使われる「リップル」という言葉

リップルといえば仮想通貨の代表例です。しかし「リップルとは」と検索すると「分散型台帳を利用した決済システム」と出てきます。仮想通貨なのか決済システムなのか…リップルとは何なのでしょうか?

この混乱が生じる理由は「リップル」という言葉が3つの意味で使われているからです。

  1. 会社としてのリップル:「Ripple inc.」というアメリカの企業です。以後混乱を避けるためにリップル社と呼びます。
  2. 決済システムとしてのリップル:「リップル・プロトコル・トランザクション(RTXP)」というリップル社の国際送金・決済のシステムです。この決済システムが本来の意味でのリップルです。
  3. 仮想通貨としてのリップル:リップルという決済システムの中で使われる仮想通貨のことです。正式名称はXRPです。私たちがリップルという言葉を日常で使うときはこのXRPを指している場合がほとんどです。XRPの特徴や推移、今後についてより詳しく知りたい方は「仮想通貨としてのリップル」をご覧ください。

ここからは「2.決済システムとしてのリップル」に焦点を当てて整理していきます。

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国際送金の現状

国際送金は出稼ぎ労働者の母国への送金や国際間決済などで利用される巨大分野であり、2019年には77兆円もの金額が送金されました。

現在の国際送金は「Swift」という銀行間の通信サービスによって行われています。

Swiftによる送金のモデル

Swiftにて送金を行う場合、「コルレス銀行」という各国の中継銀行を通して、送金の情報がバケツリレーのように伝達されます。

いくつもの銀行を経由するため、送金には数日ほどの時間多くの手数料がかかってしまします。さらに中継地点を維持する人的コストや、送金ミスなど、いくつもの課題を抱えています。

実際に送金手数料を調べてみると都市銀行を利用した場合、約3000円ほどの手数料がかかるようです。

リップルネット(RippleNet)

Swiftが抱えるこれらの課題を解決するために開発されたのが、「リップル」という決済システムです。

このシステムにおいてリップルは「RippleNet」という決済ネットワークを形成しています。RippleNetを構成する代表的サービスが以下の2つです。

  1. xCurrent
  2. xRapid

xCurrent

xCurrentは銀行間でリアルタイムのメッセージのやり取りが可能にするサービスです。改ざん不可能なメッセージが取引前後いつでも確認することができ、取引の可視化に貢献します。

つまりxCurrentは、従来の送金システムと同じ構造のものを、リップルのネットワークを利用することで素早く・高い信頼性を持って行うシステムです。

xRapid

xRapidはXRPを用いた送金システムです。

日本・アメリカ間の送金を例に考えます。

まず日本円をXRPに変換し、受け取り主にXRPが送金されます。そして送付したXRPが現地でドルに換えることにより送金が完了します。

XRPを間に挟むことで、法定通貨のみで送金を行うより早く・安く行うことができ、少額決済や頻繁な取引の場合に大きな魅力となります。

XRPは日本円⇔XRP⇔ドルのように、異なる通貨同士の橋渡しになる通貨なので「ブリッジ通貨」とも呼ばれます。

一般にリップルというとこの仮想通貨XRPのことを指します。XRPの特徴や推移、今後についてより詳しく知りたい方は「仮想通貨としてのリップル」をご覧ください。

RippleNetの現状

「RippleNet」には、既に世界40か国以上にわたる300社以上の銀行や決済業者と提携しています。日本においてもみずほ銀行やりそな銀行など有名な金融機関がリップルによる送金システムを利用した実験を行っているのが現状です。

まとめ

「従来の高い手数料」「遅い送金時間」「不透明な取引」という、国際送金の課題の解決をブロックチェーン技術を応用して試みたリップルには、今後も熱い注目が注がれていくでしょう。

リップルという仮想通貨について考えるときも、その背景にあるこのビジネスモデルを理解することは非常に重要です。ブロックチェーン関連で注目の分野リップルに今後も注目していきたいところですね。

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