自動運転とは

テクノロジー応用編

「自動運転」という言葉を本当に頻繁に耳にするようになりました。それほど私たちの生活のすぐそばまで来ているテクノロジーということなのです。

自動運転が私たちの生活に与える影響はとても大きなものになるでしょう。そのため漠然としたイメージだけでなく、より正しく理解することが必要です。

今回は自動運転のレベル・メリット・現状と将来にいてまとめていきます。

これを読むことで、ニュースなどで情報に触れる度に「今どの段階の出来事がニュースになっており、今後どのように変化していくのか」という見通しが持てるようになります。

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自動運転とは

自動運転とは「操縦を人の手によらず、機械が自律的に行うシステム」です。イメージ通り人が運転しなくても、車が走ってくれるというものですね。

自動運転を成り立たせる技術は複雑です。一例ですが以下のような多くの技術が自動運転を支えています。

  • センサー:周囲の状況を読み取る技術
  • IoT:他の車や信号などと通信し、情報を送受信する技術
  • 5G:遅延なく多くの車と通信を行う技術
  • ビッグデータ:最適な結論を出すために必要になる膨大な情報
  • AI:膨大なデータから最適な結論を出す技術

2020年11月「ホンダが自動運転レベル3の新車の販売を開始した」というニュースがありました。自動運転はその達成度によって6つの段階に分かれます。次からはそのレベル分けを見ていきましょう。

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自動運転のレベル

日本ではレベル分けにアメリカのSAE(Society of Automotive Engineers)という団体の基準を用いています。

レベル0

レベル0の自動運転車はでは、ドライバーがすべての運転タスクの実施をする場合を指します。

予防安全システムなどが搭載されていてもレベル0にカウントされます。いわゆる普通の車です。

レベル1:運転支援

レベル1では システムがステアリング操作・加減速のどちらかをサポートします。

自動運転システムが一部の運転を支援している状態です。速度と車間距離を自動制御するACC(Adaptive Cruise Control)が代表的な一例です。

レベル2:部分自動運転

レベル2ではシステムがステアリング操作・加減速のどちらもサポートします。

しかしまだ人間が主体の運転であり、自動運転中だとしてもドライバーはいつでも介入できるように前方を見てハンドルを握っておかなくてはいけません。

レベル3:条件付き自動運転

レベル3では特定の場所でシステムが全てを操作、緊急時はドライバーが操作します。

システムがメインで、いよいよ自動運転らしくなってきました。高速道路などでは自動運転が可能なためドライバーは運転をずっと監視している必要がありません。

しかし交代が必要な緊急時に、今まで気を抜いていたドライバーが急に緊急時に対処できるのか?という課題があります。かえって危険なものになる可能性も存在するため、レベル3を飛ばしてレベル4から販売するという企業もあるようです。

レベル4:高度自動運転

レベル4では特定の場所(高速道路や限定地域)でシステムが全てを操作します。

とうとう利用者は何もしないレベルがやってきました。レベル4を達成するためには信号や各種センサーとの情報のやり取りが非常に大切となるため、いきなり全国展開とはいきません。そうした環境が整った地域内での実現となるでしょう。

レベル5:完全自動運転

作動領域の限定なくすべての動作タスクをシステムが行います。文字通り完全な自動運転です。

自動運転のメリット

自動運転が普及するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

安全性の向上

現在交通事故の半分は人的なエラーにより発生しています。認知ミス・判断ミス・操作ミス・健康状態による影響が激減することが期待されます。アクセルとブレーキを踏み間違えて、お店に突っ込んでいる車はここ数年が見納めになるでしょう。

渋滞の緩和

各種データをAIが最適化することで交通渋滞が減少します。また安全性が向上するため、車線幅を減らして車線数を増やすことも試されており、交通状況の改善が期待されています。都市計画的にも、利用者的にも大きな利点ですね。

燃料消費の削減

自動運転により制御された隊列走行では空気抵抗が大きく削減され、燃費の向上につながります。また空域抵抗とエンジン状況を見ながら最適な運転をする高効率運転はAIの独壇場です。

便利さの向上

我々エンドユーザーからしたら、最高のメリットはこれでしょう。電車よりも快適な空間で混雑もせず、運転以外の好きなことをして移動時間を過ごすことができたら生活が大きく変わります。また車社会の地方に住むお酒好きには、運転が大きな障害となっています。自動運転によりここが改善されることも期待できます。

自動運転の課題

自動運転にももちろん課題はあります。悪天候などでセンサーが働かない場合や、倫理的な判断、法整備の遅れなどが自動運転社会の足かせとなる可能性があります。

自動運転の現状

現在日本企業のほとんどはレベル2までは達成しています。ハンドリングや加速減速の自動運転のCMはよく見かけますよね。

そして2020年11月11日、ホンダがレベル3の指定を国土交通省から認められたというニュースがありました。レベル3搭載車の「レジェンド」は2020年内の販売を目指しており、レベル3社会への大きな一歩となるでしょう。

ホンダ レジェンド(現行版)7,249,000円

この画像・価格は自動運転搭載前の同モデルのものです。レベル3の自動運転搭載車の価格はもっと上昇することが予想されます。

ちなみに海外ではドイツのアウディも自動運転レベル3搭載の車を販売しています。

自動運転のハイプサイクル

ハイプサイクルとはガードナーという会社が毎年発表する、「テクノロジーの地図」のようなものです。ハイプサイクルについて詳しくはハイプサイクルとは? ~現在のテクノロジーが一目で分かる~をご覧ください。

こちらは自動運転のハイプサイクルです。

得られるデータが少なかったのですがレベル4を対象としているため、まだ幻滅期ですね。ハイプサイクルを作成しているガードナーという調査会社の見立てでは、レベル4の実現もまだ10年ほどの時間がかかるようです。

日本政府の目標としては2025年ごろレベル4の浸透を目指しています。レベル5は2030年以降になるのではないかと予想されているようです。

自動運転のこれからとMaaS

自動運転が普及した後の世界はどうなると思いますか?

それは現在のように一人一人が車を所有するという世界にはならないでしょう。トヨタの社長が「100年に一度の大変革」と呼んだ、新しい世界の移動の概念をMaaS(Mobility as a Service)と呼びます。

MaaSとは何か?どのような社会になるのか?世界での進捗状況はどうなのか?についてより詳しく知りたい方は「MaaSとは 移動の革命が起きる!!」をご覧ください。

まとめ

自動運転のレベル、メリット、現状についてお話してきました。

これらの知識があれば今どの段階の出来事がニュースになっており、今後どのように変化していくのかについての見通しが持てると思います。

過度な不安や期待を持つことなく自動運転社会の到来を楽しんでいきましょう!

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