次世代の「四種の神器」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
四種の神器とはIoT・クラウド・ブロックチェーン・AIの四つの技術の総称です。これらは次世代のビジネスにおいて莫大な価値を生み出すテクノロジーとして注目されています。
ですがその神器の一つである一つであるクラウドは既に数社の寡占状態にあります。
私たちの知らないうちに神器の一つは誰かに握られてしまっていたのですね。
今日はクラウドコンピューティングの三つの主要なタイプについてお話ししたうえで、現在のクラウド市場やそのシェアに迫っていこうと思います
クラウドサービスの3つのタイプ ~SaaS・PaaS・IaaS~
クラウドとは「インターネットを介して世界中のどこかにある企業のコンピューターを利用する」ことです。そしてクラウドの形態で提供されるサービスをクラウドサービスといいます。
クラウドとは何か・どのような変化をもたらしたのかより詳しく知りたい方は「クラウドとは?」をご覧ください。
ネットでサービスを利用・提供する場合、サーバー・OS(コンピューターの統制を行うシステム)・ソフトウェアの3つを用意する必要があります。これらを自前で準備せず、クラウド事業者のものを利用するのがクラウドでした。
この3つのどこまでをクラウド事業者が用意するのかでクラウドサービスが分類されます。
SaaS
SaaS(サース)とは「Software as a Service」の略で、日本語で「サービスとして提供されるソフトウェア」と呼ばれます。
ここではサーバ・OS・ソフトウエアの全てがクラウドの形で提供されます。
何も用意する必要がないため、私たちのような一般ユーザー向けで、サービスをそのまますぐに利用できます。
身近なところではGmail、Google ドライブ、Evernote、マネーフォワード、Appleミュージック、ネットフリックス…など、会員登録するサービスですね。
私たちが利用するクラウドというのはだいたいがSaaSの形態で提供されています。
PaaS
PaaS(パース)とは「Platform as a Service」、日本語で「サービスとして提供されるプラットフォーム」のことです。
PaaSではサーバ・OSのみ提供されます。
そのためソフトウェア(アプリケーションなど)を開発するための開発環境としてとても優れており、アプリの開発者の利用が多いです。
IaaS
IaaS(イアース)とは「Infrastructure as a Service」の略で、「サービスとして提供されるインフラストラクチャー」のことです。
IaaSではサーバーのみ提供されます。(厳密には記憶装置なども含むインフラ環境を提供)
ICT(情報通信技術)サービスの運営者がOSやソフトウェアを自分で自由に設定して利用するときに利用されます。
このようにSaaSはエンドユーザー向け、IaaS・PaaSは企業や専門家向けのサービスと言えるでしょう。
クラウド市場の現状とシェア
これが2020年のクラウドのシェアを示したものです。
Amazonが提供する「AWS(Amazon Web Service)」が世界一位のクラウド事業者として君臨しており、Microsoft社提供の「Azure」、Google提供の「GCP(Google Cloud Platform)」がその後を追っています。
このようにAmazon、Google、Microsoft、Alibabaなどの巨大企業が既に大きなシェアを占めていることが分かります。
アマゾンやアリババ、グーグルのような巨大企業は自社のサービスを行うのに大量のサーバーを必要とします。そのためクラウドの形態で他社のサーバーを利用するとコストがとても高くつき、自社で開発したほうが長期的に見て安上がりなのです。クラウドの事業者という分野は、規模の力が働く巨大企業のほうが有利なジャンルのようですね。
これらの企業はIaaSやPaaSを中心としており、私たちに実感がないのはそのせいかもしれません。
AWS アマゾンのクラウド事業
クラウドのシェアの世界1位はAWSです。
上の表のようにアマゾンの稼ぎ頭はEC事業ではなく実はAWSなのです。売り上げという視点から見るとオンラインショッピングの販売額はAWSの5倍ほどありますが、こちらは薄利多売なため利益は大きくありません。利益となるとAWSがAmazonの利益の70%ほどを稼いでいます。
AWSのホームページの画像です。非常に多彩なサービスを利用していることが分かります。
まとめ
クラウドサービスとしてのSaaS・PaaS・IaaSと、クラウド市場の状況について見てきました。
クラウド事業は設備投資が膨大なため参入障壁が大きく、巨大企業がその多くを既に握っているという現状でした。
今からクラウド市場の状況を変えるのは難しいですが、次の時代のカギになるテクノロジーをどこの企業が握っているのかや、その流れを知っておくことは私たちにもできる大切なことですね。
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