AR・VRという言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。ではMRはどうですか??
こういう系の言葉が三種類も出てくると混乱して、何が何だか分からなくなりますよね。。
今日はAR・VRの後に生まれた新しい概念であるMRについてAR・VRとの違いを分かりやすくまとめていこうと思います。
MRとは
MR(Mixed Reality)は日本語で「複合現実」と呼ばれます。その名の通り「現実世界と仮想世界を複合させた世界」を創る技術のことです。
まずCGで作られた物体を現実世界に反映させます。そしてそこから仮想世界の事象と現実世界の事象が相互に影響させることができるのです。具体的には仮想物体に近づいたり触れたりといった操作を可能になります。
VRとの違い
全てを仮想空間上に構築するVRと異なり、MRは現実世界をベースにしてCGを反映させます。そのためあたかも仮想空間の中にいるかのような感覚を味わえるのです。
とても身近なものとなったVRの特徴・利点・利用方法についてより詳しく知りたい方は「VRとは ゲームだけじゃない!」をご覧ください。
ARとの違い
現実世界をベースにCGを反映させるという点ではARと同じです。
ARではスマホの画面の中でのみCGが反映されるという制約がありましたが、MRはメガネなどを通して見える視界全体でCGが反映されます。また、スマホをタッチする代わりに、CGに直接触れて操作することが可能なのです。
幅広い応用の可能性を秘めるARの種類や利用方法についてより詳しく知りたい方は「ARとは? 拡張現実はどのように利用されるか」をご覧ください。
MRにできること
MRが可能にする新しい点は以下の二つです。
1.複数名での同時体験や共同作業を可能にする
ARではCGを現実世界に投影できましたが、複数人で同じものを見るということは不可能でした。ですがMRにおいては、仮想情報を他のユーザーと共有することが可能になります。
そのため同じCGを見ながらの会議や教育などより幅広い利用が可能になります。
2.音声・視線・手の動きだけで操作できる
上にも合った通りMRのもう一つの大きな特徴は、仮想世界の事象と現実世界の事象が相互に影響することです。
そのためタッチパネルやコントローラーを操作することなく、視線や音声、ジェスチャーだけでCGを操作することが可能になります。
MRの利用例
MRは「現実世界をベースにしながら仮想情報を共有できる」という特徴を持っていることが分かりました。そしてMRはその利点を活かして、複数名で同じ画像を見る業務(紹介・協力作業)や、トレーニングに利用されています。その実例を見ていきましょう。
医学や製造業、建設業の分野でMRのシュミレーションや教育は非常に有用な手段です。
このような複数人の協力を要する分野では、複数名での同時体験を可能にするMRのメリットがフルに生かされていくでしょう。
EC事業などの小売業でもMRは利用可能です。
商品をCGで反映して、実際そこにあるかのように回転させながら様々な角度から眺めたり、自分の好みにカスタマイズすることが可能になります。このような作業は仮想世界の事象と現実世界の事象が相互に影響するMRだから可能になるといえます。
他にも学生用の教材や遠隔・CGを使った場合のミーティング、アミューズメントなど様々な分野での利用が期待されています。
MRを実現する「Microsoft HoloLenz」
MRを実現する道具の一つがHoloLensです。
HoloLensはMicrosoftが「Windows Mixed Reality」として推進するプロジェクトの中で開発されホログラフィックコンピューターです。ここにはWindows10が搭載されているため、HoloLens単体でアプリケーションを利用できる自己完結型のMRグラスになっています。
お察しの通り、冒頭にもあった「複合現実を見せる40万円のメガネ」とはこの商品のことです。
ここまですごい機器だと40万円が高いのか安いのかはもはや分かりませんね。。
HoloLensは2016年に販売を開始し、2019年にはHoloLens2が発表されました。
HoloLensはCGを共有したり、音声・視線・手の動きだけで操作したりするMRの基本的機能に加え、様々なアプリケーションの利用が可能になります。
例えばMicrosoft Edgeというインターネットブラウザを利用すれば、パソコンやスマホなしでインターネットやYouTubeを楽しめます。他にもゲームや3Dシュミレーション、CGと対応させた動画撮影などの機能が盛り込まれており、これからも多くのアプリケーションが追加されていくでしょう。
MRのハイプサイクル
ハイプサイクルとはガードナーという会社が毎年発表する、「テクノロジーの地図」のようなものです。ハイプサイクルについて詳しくはハイプサイクルとは? ~現在のテクノロジーが一目で分かる~をご覧ください。
こちらがMRのハイプサイクルです。
MRは過度な期待のピーク期に入ったばかりというのが2020年の現状です。HoloLensのような商品が登場していても、実用化や普及にはまだ10年ほどの時間がかかるようです。
まとめ
MRとは?特徴、利用例、そしてHoloLensについてまとめてきました。
AR・VRの後に登場した概念がMRです。その発達・発達はまだまだこれからで長い目をもって見ていくことになる技術のようです。
AR・VRはすぐそこに迫っているためそちらも要注目ですね!
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