ドローンとは「遠隔操作や自動操縦によって飛行する無人航空機」です。
ドローンは1930年ごろ軍用機として開発がスタートし、現在は民間用のサービスへ利用が進んでいます。ドローンの歴史や種類、現状から将来について詳しく知りたい方は前回の記事:ドローンとは ドローンの種類や過去・未来が一発で分かる!をご覧ください。
今回はドローンはどのような分野でどのように利用されているのかということに焦点を絞ってまとめていこうと思います。
いよいよ私たちの生活のすぐ側にドローンが迫ってきています。
ドローンの利用方法
ドローンの利用方法は大きく分類すると「運ぶ」「撮る」「データ収集」の三つに分けられます。
今回はさらにそこから踏み込んで、
- 空撮での利用
- 測量での利用
- 農業での利用
- 物流での利用
- 中継基地としての利用
- 点検・警備での利用
- 移動手段としての利用
についてそれぞれしていきます。
空撮での利用
ドローンの利用で私たちに最も馴染みの深いのが空撮分野での利用です。
マルチコプタータイプのドローンはホバリング(空中静止)や精密な操作が可能なため空中写真・動画の撮影にうってつけです。今までヘリコプターを利用するしかなかった空撮が、ホビードローンの普及とともに個人でも簡単に可能になりました。そのメリットは非常に大きく、最も早く普及したドローンの利用方法です。
現在はテレビ・映画の撮影を始め植生・農作物の育成状況の調査、スポーツ選手の自動追尾によるトレーニングや分析などの分野に利用されています。
測量での利用
空撮の延長線上として利用されているのが測量の手段としての利用です。ドローンによる映像を自動解析することで、地形や建物の測量を迅速に行うことが可能になります。特に空から見た映像は今までになかったもので、ドローン産業利用の大きな可能性があります。
具体的には時間とともに変化する河川や海岸の様子、工事のための地形の測量や進行具合の管理などが挙げられます。このように土木建築分野でのドローンの測量には大きな需要が予測されます。
また、地下資源の探索は従来人工衛星や有人飛行機にて行われてきました。三次元地形像を作りながら地下資源の探索を行う専用のドローンなどの利用にも期待が寄せられています。
農業での利用
農業でのドローン利用として頭をよぎるのは、20年以上の歴史を持つ農薬散布用無人ヘリです。
他にも育成状況や病気・虫害状況の判定を行ったり、その結果に基づきピンポイントで肥料や農薬を散布するなどの試みが行われています。
このようにドローンは農業をIT化するための重要な道具の一つです。現在は農薬散布が最大の利用方法ですが、新しい農機具として普及していくでしょう。
物流での利用
今後最も成長が期待されている分野は輸送・配送サービス分野になると考えられています。
ドローンは空飛ぶ輸送機として普及し、新たな物流網を構築することが求められています。
EC事業の拡大に伴い、物流への負荷が増大した結果、物流分野でも新しいイノベーションが求められています。障害のない空路を利用することができ、さらに今まで手が届かなかった海上や山岳地、過疎地をもカバーすることができるドローンには大きな期待が寄せられています。
現にAmazonは「Prime Air」という将来の配送システムに取り組んでいます。このサービスではドローンを使うことで、配送範囲約24kmの地域に2.26kgまでの荷物を配送します。さらに驚くべきはその配送時間で、注文から30分以内の配送が可能なのです。
Amazonは2019年6月からテスト配送を実施しています。何千時間ものテストが既に行われており着々と実施への階段を上っています。
中継基地のとしての利用
災害や停電時に、基地局が利用できず、通信が不可能になることは現在懸念される問題点です。電波遮断時の解決策としてもドローンは期待されています。
マルチコプターを利用して、局地的に基地局に電波を中継することが可能になれば、どのような場所で災害が生じても柔軟に対応をすることができるでしょう。
点検・警備での利用
高所や危険な場所、人が近づくのが困難な場所の点検にドローンはうってつけです。
具体的にはトンネルの天井や橋、高層ビルの外側、送電線などです。人間の危険を減らし、AIの画像認識と組み合わせれば高い精度で異常を発見することが可能になるかもしれません。
また人だけでは手が回らなかった広域な警備もドローンが活きる分野です。従来のカメラやレーザー、人間による警備に、ドローンによる広域観察や巡回を加えればその制度をより高めることができます。実際に大きなスポーツ大会などではドローンを用いた警備が導入されています。
移動手段としての利用
中国のドローンメーカーのEHANG(イーハン)社で人を乗せる有人ドローンが開発さました。
「Ehang184」は空飛ぶ無人タクシーのような利用が可能です。操縦士のいない一人乗りで操縦桿はもちろんありません。ハッチパネルで目的地を指定すれば自動で連れて行ってくれるのです。
さらにその性能も、1回の充電で大人1人を乗せて35kmの飛行が可能、その最高時速は130km/hとタクシーとして申し分ありません。
現在ほとんどの国で有人ドローンの飛行は許可されていません。しかし20年、30年経ったらこれが新しい移動手段になっているかもしれませんね。
まとめ
今回はドローンの利用方法について見てきました。
馴染みの深い空撮だけでなくとても多くの分野でドローン導入の可能性があるということが分かりました。ここ数年で私たちの生活に最も影響するのはやはり物流分野でのドローン導入でしょう。
これから海外の進展状況や日本の法整備・企業の動きなどのニュースに注目していきたいですね。
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