GAFA と BATH 徹底比較

テクノロジー企業

現在アメリカと中国は「米中新冷戦」と呼ばれるほどに激しく政治的に対立しています。それに伴いテクノロジーの分野でもアメリカのGAFA vs中国のBATHの関係が注目されています。

今回はそんなBATH・GAFAの業務・売上・時価総額・関係性について比較していきます。

アメリカの巨大テクノロジー企業群GAFA、「GAFAって何?」「どんな企業がどんなビジネスをしているの?」と気になった方はGAFAとは?~世界を統べる巨大IT企業たち~をご覧ください。

中国の最先端を引っ張る大企業たちBATH、それぞれの企業、ビジネスモデルについてより詳しく知りたい方はBATH ~GAFAと競う中国の巨大IT企業~をご覧ください。

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ビジネスを比較

下図はGAFA・BATHが展開するビジネスと柱となる収益を表にしたものです。(HUAWEIは非上場企業なため詳細は不明)

出典:総務省 デジタル経済の将来像に関する調査研究の請負

各企業ともとても広くビジネスを展開していることが表からも分かります。

それにもかかわらず、Google とBaidu、AmazonとAlibaba、FacebookとTencentでは、柱となる事業が綺麗に対になっているのです。

またAmazonの小売り業の利益は低く、売上高の10%ほどに過ぎないAWS(アマゾンウェブサービス)というクラウドサービスが利益の大部分というのは驚きですね。

クラウドサービスは5G時代の「四種の神器」と言われる次世代のカギになる技術です。そしてクラウドサービスの分野でもAmazonは世界一の地位を築いています。

よく耳にするクラウドサービスとは何か興味がある方はクラウドとは?をご覧ください。

また、Amazonを始めとする各社クラウド事業とその内容についてまとめたクラウドサービスとその覇者もご一緒にどうぞ。

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売上・営業利益を比較

次に各社の売上高と営業利益について見ていきましょう。

※Huaweiは未上場企業のため売上高・営業利益・時価総額が不明です。

こちらが各社売上高の推移です。

売上高の推移

売上高はApple、Amazon、Googleの順でGAFAの力強さがうかがえます。特にAmazonの最近の伸び方はすごいですね。

続いて営業利益を見てみます。

営業利益とは、売上高から原価と人件費・送料などの販売管理費を差し引いたものです。営業利益を見ることで各企業の本業で稼ぐ力が分かります。

営業利益の推移

営業利益もAppleが首位なのは同じですが、利益率として考えるとFacebook、Googleが高く、広告収入の底力が分かります。

BATHも上昇してはいるものの、売上・営業利益で比較すると世界に市場を広げているGAFAには敵いません。

決算書を見てもこの表の中の多くの企業が利益を配当に回さずに、内部留保・再投資することで更なる成長を狙っているのです。

時価総額を比較

次は時価総額を比較していきます。(2020年11月9日時点)

会社名時価総額 単位:ドル順位会社名時価総額 単位:ドル順位
Google 1.1兆5位Baidu520億不明
Amazon1.51兆4位Alibaba8127億6位
Facebook7500億7位Tencent7283億8位
Apple1.85兆1位Huawei未上場のため不明不明

表にはありませんが2位はサウジアラビアの国有石油企業「サウジアラムコ」、3位はビルゲイツでおなじみの「Microsoft」です。

GAFAの時価総額や順位はすごいですが、AlibabaやTencentもそれに肩を並べる実力を持っているのです。

GAFAはBATHの約3倍ほどの時価総額を持つと推定されます。

参考までにトヨタの時価総額は1815億ドル、順位は47位です。改めてGAFA・BATHがいかに超巨大企業なのかが分かります。

実は完全な敵ではない?

ここまでGAFA BATHのビジネス、売り上げ、時価総額など様々な面から比較してきました。

GAFAは世界最大の人口を持つ中国市場に、BATHは世界最大の経済力を持つアメリカ市場に進出できていないというのが現状です。

ライバル関係にあるこれらの企業の衝突は必至だと思ってしまいますが、実は完全な敵対関係ではありません

まず豊富な資金を持つこれらの企業は互いの国に積極的に投資をしています。

一例ですがTencentはアメリカの自動車企業のテスラに1800億円もの投資をしており、さらにマーベラスというゲーム企業と業務資本提携を結んでいます。Alibabaの二大株主は日本のソフトバンクとアメリカのYahooです。

これらの他にもGAFA・BATH間での資本のやり取りは互いにとって不可欠です。

さらに優秀なエンジニア同士の人的資源の交流も活発に行われています。

まとめ

アメリカと中国は政治的に激しく対立しており、一見すると経済的にも隔たりがあるように見えます。

しかし双方の人的・資本的な利害関係は一致しているのです。

そのため、片方が勝者となり、相手を完全に駆逐するというシンプルな構図にはならないのでしょう。

GAFA・BATHはお互いに潰しあう必要がなく、それぞれの地域・分野でそれぞれが21世紀の勝者となっていくと考えられます。

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