仮想通貨の普及と値上がりによってビットコイン以外の通貨にも目が向けられるようになりました。その中の代表的な通貨の一つがイーサリアム(ETH)です。
今回はそんなイーサリアムについての情報をまとめていきます。
仮想通貨の価格が今後どうなるかは、その通貨の背景によって大きく左右されます。このサイトを読めばイーサリアムの持つ「ブロックチェーン×プラットフォーム」という特徴が分かりやすく掴めるように整理していきます。
2つの意味で使われるイーサリアム
イーサリアムについて調べると「イーサリアムとは分散型アプリケーションを実現するためのプラットフォーム」であると表示されます。しかし私たちはイーサリアムを仮想通貨として耳にします。
これはイーサリアムという言葉が2つの意味で使われているからです。
1.プラットフォームとしてのイーサリアム
イーサリアムは分散管理型のプラットフォームです。そのため様々なサービスをイーサリアム上で作成し運用することができます。より詳しく知りたい方は「プラットフォームとしてのイーサリアム」についてご覧ください。
2.仮想通貨としてのイーサリアム(ETH)
イーサリアムというプラットフォームの中ではETH(イーサ)という仮想通貨が使われます。これが私たちが普段イーサリアムと呼んでいるものの正体です。
仮想通貨としてのETHがどのような特徴を持っているのかについて分かりやすくまとめた「仮想通貨としてのイーサリアム イーサリアムの特徴を分かりやすく解説」をご覧ください。
リップルでも「決済システムとしてのリップル」と「仮想通貨としてのリップル」が混合していたように、仮想通貨とその背景にあるシステムの名前が混合して利用されているのですね。
今回は「1.プラットフォームとしてのイーサリアム」に注目してまとめていきます。
プラットフォームとしてのイーサリアム
イーサリアムはアプリケーション作成・運用を行う分散型のプラットフォームです。
プラットフォームとは
プラットフォームとは様々なサービスを動かすための基盤となるものです。例えるなら家庭用ゲーム機のSwitchやPS5のような本体がプラットフォームで、その上で利用できる各ゲームソフトがアプリケーションです。
イーサリアムというシステムを基盤にして、アプリを作成したり運用することが可能になります。
イーサリアムにできること ~ビットコインとの違い~
イーサリアムは第二世代の仮想通貨と言われ、第一世代のビットコインに新しい機能が追加されたものです。
イーサリアムもビットコインもブロックチェーンを利用した仕組みですが、いったい何が異なるのでしょうか?
ビットコインブロックチェーン
ビットコインはブロックチェーン上に数字しか記録することができません。
そのためビットコインという仮想通貨の決済がそのメイン機能です。今はビットコイン自体の価格が高騰したため、「デジタルゴールド」と呼ばれるような価値保存のための資産になっています。
イーサリアムブロックチェーン
対してイーサリアムのブロックチェーン上には数字の他に文字を打ち込むことができます。
これにより仮想通貨の決済に限らず様々な情報を記録することができるのです。この点が全く新しい概念を持った暗号資産と言われている理由です。仮想通貨による価値保存や決済に加え、イーサリアムを基盤に様々なサービスを作ることができるようになりました。
イーサリアム上で作る管理者のいないアプリケーションを「DApps(分散型アプリケーション)」といいます。
イーサリアムとETH
イーサリアムというプラットフォームの中で利用される仮想通貨がETH(イーサ)です。
ETHはアプリの稼働時、イーサリアムブロックチェーン上にデータを記録するための手数料として使われます。
ETHは他の仮想通貨のような通貨としての機能に加え、イーサリアム上のアプリケーションを動かすための燃料のような役割を持っています。そのためETHは「Gas」とも呼ばれるのです。
イーサリアムブロックチェーンで作られたアプリケーションが増え、その燃料であるETHの需要が高まると価格が上がっていくでしょう。
イーサリアムの利用例
イーサリアムを利用したアプリケーションは次々と誕生しています。
トークンの発行
イーサリアムを利用すればトークンという代替貨幣を作ることができます。
現在存在するトークンの多くはイーサリアムを利用して作られたものです。トークンを個人や企業が簡単に作ることができるようになることで、資金収集の方法がより簡単になったり、新しい通貨のように普及して経済圏を作ることが可能になります。
各国の中央銀行が発行するデジタル通貨を「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」といいます。(詳しく知りたい方は、「CBDCとは? お金がテクノロジーの力で新しく生まれ変わる!」をご覧ください。
各国がCBDCに向けて取り組む中、オーストラリアはCBDCをイーサリアム上にて展開することを予定しています。このように国・企業・個人を問わず新しい価値を創造する手段として注目されています。
より詳しく知りたい方は、「トークンとは何か?」から始め、トークンの種類や何ができるようになるのかについて分かりやすくまとめた「トークンエコノミーとは? トークンにより実現する未来」をご覧ください。
スマートコントラクトの実現
スマートコントラクトとは「契約の自動化」のことです。
契約のプログラミングをブロックチェーンに埋め込むことで、「人の手を介さない自動化された取引」が可能になります。ブロックチェーン上に記録されているため「契約内容が改ざんされない」「契約の不履行を防止できる」といった利点があります。
スマートコントラクトはブロックチェーンの応用で最も期待されている分野であり、金融から不動産をはじめ、取引・契約が行われる分野ならどこでも適応できます。
スマートコントラクトを実現する手段としてイーサリアムは期待されているのです。
仮想通貨としてのイーサリアム
イーサリアムの中で使われる仮想通貨ETHは、ビットコインに次ぐ世界第二位の時価総額を持つ仮想通貨として有名です。
仮想通貨としてのETHがどのような特徴を持っているのかについて分かりやすくまとめた「仮想通貨としてのイーサリアム イーサリアムの特徴を分かりやすく解説」をご覧ください。
まとめ
イーサリアムは分散型アプリケーション(DApps)やスマートコントラクトを実現するプラットフォームとして期待が集まっています。
仮想通貨ETHはこのシステムの普及と強く関係しているため、プラットフォームとしてのイーサリアムを理解することの重要性はますます増してきています。
いずれ世界中に普及し、社会基盤のような役割を果たすかもしれない技術の過渡期に立ち会っていることを噛み締めて注目していきたい技術ですね。
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