TMDとは今日頭条(トウティアオ)美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)滴滴出行(ディディ)の頭文字をとってつけられた言葉です。
この企業群は中国においてBATHの次を担うといわれるほど、力をつけている注目の企業なのです。そんなTMDについてより詳しく知りたい方は「TMDとは? BATHの次を担う新御三家」をご覧ください。
今回はそんなTMDのM、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)についてまとめていきます。メイトゥアンとはどんな企業なのか、その特徴や今後どうなっていくかを整理していきましょう。
他のT、今日頭条(トウティアオ)についてより詳しく知りたい方は「【TMD】T:今日頭条(トウティアオ)とはどんな企業?~親会社のバイトダンスも~」をご覧ください。
美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)とは何の企業?
メイトゥアンは中国の生活密着のアプリを運営しています。
メイトゥアンは中国最大のO2Oプラットフォームというわれています。O2Oとは(Online To Offline)の略で、オンラインで集客し、オフラインの実際の店舗に誘導するモデルのことです。
つまり、グルメや娯楽、美容院、病院などの情報を総合的に取り扱う便利なアプリを運営して、実店舗と連携していくというビジネスなのですね。
上はメイトゥアンのホームページの画像です。左の項目のところに、外食、フードデリバリー、ホテル、民泊、映画、チケット、レジャー、美容、健康などが書いてあります。まさに生活総合プラットフォームですね。
ミッションは「We help people eat better, live better」。食をはじめ、生活全般に関わっていくという理念が窺えますね。
美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)の事業内容
メイトゥアンは生活総合プラットフォームと言われるだけあって、その業務内容は多岐にわたります。
代表的なものを上げると以下の通りになります。
- フードデリバリー
- スーパーのアプリ
- 映画チケットの販売
- ホテルの予約
- 飲食店・美容院などあらゆる店のレビューアプリ
- 共同購入クーポンサイト
- シェア自転車
- タクシー配車
こうしてみると消費行動のほぼ全てを手中に収めていることが分かります。
美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)の特徴
【特徴1】一つのアプリで生活の大部分がカバーできる。
日本ではホテル予約やフードデリバリー、レビューサイトや移動手段などその目的ごとにアプリをダウンロードして情報を得ています。しかしこれは利用者にとっては非常に面倒です。
メイトゥアンの飲食店のサイトを開くと、基本情報からレビュー、割引クーポン、さらには移動のためのタクシー配車までそのアプリの中で完結することができるのです。これが美容室や病院、映画まであらゆる分野で可能となると人気になるのも理解できます。
【特徴2】中国の口コミ文化を背景に
中国では日本と比べて口コミが非常に重要な情報源になります。
日本人が欲しい情報の種類によってInstagramやTwitter、ブログを組み合わせて情報収集します。この感覚で中国人は自分の出かける先の情報を口コミサイトで検索するのです。
メイトゥアンの前身の一つが中国最大の口コミサイト「大衆点評」であるということと、中国の口コミ文化によって、メイトゥアンは圧倒的支持を受けているのです。
【特徴3】低価格サービスで利用者を獲得
メイトゥアンのサービスは非常に利用しやすい価格に設定されています。
例えばタクシーの初乗りは12元(180円)、モバイク(シェア自転車)は30分1元(15円)で利用できます。
食品デリバリーやシェア自転車など「多頻度・低収益」のサービスを充実させて顧客を集め、レストランやホテルなど「低頻度・高収益」のサービスにつなげています。
こうして集まる「サイトへの信頼」「蓄積されたレビュー」「そして利用者からのビッグデータ」がメイトゥアンの強味であると言えます。
美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)の現状と将来
美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)の現状
メイトゥアンの時価総額は2020年5月には1000億ドル(約10兆7560円)に達し、中国のテクノロジー企業の中アリババ・テンセントに続き時価総額第3位となりました。
そんなメイトゥアンのは利用者の数も莫大です。月刊アクティブユーザーが1億5000万人、一日の注文件数が1000万件を超えています。その利用者5億人のうち70%が、情報を収集する手段としてメイトゥアンを第一選択にするという調査結果が2018年にでています。
企業活動は中国国内が中心ですが、国民には非常に深く浸透している様子が分かります。
美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)の課題
メイトゥアンの課題は競争の激化です。
タクシー配車やシェア自転車は滴滴出行(ディディ)と、フードデリバリーやスーパーマーケットはアリババと競争しており、今後熾烈な競争が予想されています。
美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)のこれから
メイトゥアンはユーザーと加盟店を上昇させることを目標にしており、2025年には一日当たりの注文件数を1億件にすることを目指しています。
今後も飲食店を軸に消費の行動をサポートするという基本方針の拡大を図りそうです。
メイトゥアン以外のTMDはそれぞれどんな会社?
T:今日頭条(トウティアオ)の特化した分野は「ニュース」です。そのビジネスモデルや革新的な点についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。「【TMD】T:今日頭条(トウティアオ)とはどんな企業?~親会社のバイトダンスも~」
D:滴滴出行(ディディ)は中国の配車サービスを支配する巨大企業です。より詳しく知りたい方は「【TMD】D:滴滴出行(ディディ)とはどんな企業?」をご覧ください。
まとめ
中国のテクノロジー企業で第三位の位置に付ける注目の企業、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)についてまとめてきました。
バイトダンスやアリババ、テンセントとはまた違った形で中国の人の生活に深く根差していることが分かりました。現在は中国での活動が中心ですが、今後中国内でどのような立場となっていくのか、国外へ進出するのかなど、注目していきたいですね。
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