【TMD】D:滴滴出行(ディディ)とはどんな企業?

テクノロジー企業

TMDとは今日頭条(トウティアオ)・美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)・滴滴出行(ディディ)の頭文字をとってつけられた言葉です。

この企業群は中国においてBATHの次を担うといわれるほど、力をつけている注目の企業なのです。そんなTMDについてより詳しく知りたい方は「TMDとは? BATHの次を担う新御三家」をご覧ください。

今回はそんなTMDのD、滴滴出行(ディディ)についてまとめていきます。ディディとはどんな企業なのか、その特徴や今後どうなっていくかを整理していきましょう。

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滴滴出行(ディディ)とは何の企業?

ディディは中国最大の配車サービス企業です。

タクシーのクラクション音が企業名にしているように、移動に重点を置いたビジネスを展開しています。

創業者の一人でCEOは程維(チャン・ウェイ)です。大学受験に失敗するも、2005年からのアリババ頭角を現しました。

2012年にタクシーの即時配車サービスから開始し、現在中国で第三位のユニコーン企業(一位はアントファイナンシャル、二位はバイトダンス)と言われるほどに成長しました。

アリババ・テンセント・トヨタ・Appleなどの超大手から投資をされており、更なる発展が期待されてます。

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ディディの事業展開

交通サービス

滴滴出行のアプリ

タクシー配車:ディディの中心となるビジネスです。乗客と空車タクシーのマッチングを行います。手数料の請求は特にありません。

配車サービス:自家用車ドライバーと乗客のマッチングを行います。平均で顧客が払った金額の19%ほどが手数料としてディディに入ります。車の大きさや高級さによって料金が異なるため、多くの選択肢から選ぶことができます。

シェア自転車:美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)のモバイクに次いで、中国で二番目に大きなシェアサイクルを運営しています。

配送サービス

フードデリバリーも行っており、日本でも福岡や大阪で行われています。

滴滴出行(ディディ)の特徴

圧倒的なシェア

ディディの強味の一つはその圧倒的なシェアです。配車サービスを中国の400以上の都市で月5億人に向けて行っており、そのシェアはなんど91%(2019年)と独占状態です。一日当たりの受注数も2400万件と中国人の生活に根差しています。

ディディのライバルと比べられるアメリカの配車サービスUberの月間利用者が1億人であることを考えると、ディディの巨大さが分かりますね。

移動のビッグデータの収集

中国国内での配車サービスを牛耳ったディディに集まる、移動のビッグデータは膨大です。

一日に集まるデータ量は約70TB(テラバイト:GBの約1000倍)と言われています。車上のセンサーからの匿名化されたデータ、道路やストリートからの静的情報及びリアルタイムの出来事をディディの乗車と降車のデータ、旅行、運搬容量など様々な情報を集めています。

機械学習や視覚分野などのAI技術とこの移動のビッグデータによって、運搬の需要と供給のバランスを効率的に保つことができ、渋滞や交通問題の緩和が可能になります。

積極的な海外進出

滴滴出行(ディディ)のホームページより

上の画像のように滴滴出行(ディディ)は多くの国で事業を展開しています。中国の企業の中ではかなり外向きの活動が活発と言えるでしょう。

日本でも福岡でフードデリバリーの「DiDi Food」がそして東京で「DiDiモビリティジャパン」が2020年11月から開始しました。なかなか配車サービスが進まなかった日本にもとうとうディディのサービスがやってきました。

DiDiモビリティジャパンはソフトバンクとディディが共同出資で作った企業です。

滴滴出行(ディディ)のこれからの取り組み

MaaSへの取り組み

交通分野で近年最大の変化といえばMaaSの誕生です。

MaaSとは「出発地から目的地までの移動を一つのサービスとして提供する」というサービスです。

MaaSではバス、タクシー、自転車シェア、カーシェアなど様々な交通手段を組み合わせて、最適な移動を交通サブスクリプションモデル(定額制)で利用できます。より詳しく知りたい方は「MaaSとは 移動の革命が起きる!!!」をご覧ください。

ディディもMaaSに向けての取り組みを積極的に進めています。目的地までの交通機関を一括比較でき、予約・発券・決済がスマホで可能なディディは現在レベル2のMaaSを達成していると言えます。

レベル3・4の達成に向けてトヨタと事業連携しながら取り組んでいる最中です。

自動運転タクシー(ロボタクシー)の試験営業

滴滴出行(ディディ)のロボタクシー

2020年6月、ディディは上海市でロボタクシーの試験営業を開始しました。ロボタクシーの分野では現時点でバイドゥ試験運用を終えており、一歩先を行っています。

それを後追いしていくディディは、2030年までに100万台のロボタクシー街に走らせるという計画を発表しています。この分野でのディディの本気度が窺え、国内外からも注目を集めています。

ディディの以外のTMDはそれぞれどんな会社?

T:今日頭条(トウティアオ)の特化した分野は「ニュース」です。そのビジネスモデルや革新的な点についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。「【TMD】T:今日頭条(トウティアオ)とはどんな企業?~親会社のバイトダンスも~

M:美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)は中国最大のオールインワンアプリといわれる生活総合プラットフォームです。そんなメイトゥアンについてより詳しく知りたい方は「【TMD】M:美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)とはどんな企業?」をご覧ください。

まとめ

中国の移動を支配する滴滴出行(ディディ)についてまとめてきました。美団点評と異なり、積極的に海外進出を進めている企業だけに、日本への影響も大きなものになるでしょう。

自動車の製造が強い日本としては、ディディのような自動車サービス企業が次の時代にどのような動きを取るのかよくよく注目していきたいところですね。

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