Society5.0はこれからの日本がどこに向かうかという指標であり、すべての日本人が関係せざるを得ない言葉です。
今までの社会の課題とSociety5.0に期待される姿についてより詳しく知りたい方は「Society5.0 とは 次世代の社会はどうなる?」をご覧ください。
今回はそんなSociety5.0について、各分野でどのような変化が起きるのかを中心にまとめていきます。
Society5.0の中心となる「データの利活用」
Society5.0の中心となるのは「データの利活用」です。
今までは利用されてこなかった様々なデータを収集し、AIによって解析します。その結果を必要な時に適切に提供することで、従来の社会の課題を解決するというのがSociety5.0の肝です。
そのため今回は
- どんな情報が収集・解析されるのか
- どんな課題が解決され、何ができるようになるのか
の二点に注目しながらまとめていきます。
Society5.0における「工業」
工業分野で収集・解析される情報
・顧客や消費者の需要
・各段階の在庫状況
・配送状況
工業分野での代表的な情報収集の場は、市場調査や工場の生産工程、配送状況などです。それぞれとても複雑で、幅広いため、人間が一元管理するのは不可能でした。
それゆえにSociety5.0でこれらの情報が有効活用されることが期待されています。
工業分野で何ができるようになるか
・作業の効率化
・競争力の強化
在庫管理や経費の削減、流通の効率化など、生産工程における効率化が最も期待されています。また、市場の状況をより深く掴めるため、需要に応じた柔軟な生産計画や多品種少量生産が可能になるでしょう。
顧客満足度の上昇および競争力の強化を可能にすると期待されています。
Society5.0における「交通」
交通分野で収集・解析される情報
・各自動車からの情報
・天気/交通/飲食などのリアルタイム情報
交通情報は膨大であり、移動通信技術が必要になるので4Gの環境の下では取り扱いが難しかった分野です。しかし5Gで超低遅延・多数同時接続が可能になったことで、足枷が外れ、大きな飛躍を見せると期待されています。
交通分野で何ができるようになるか
・自動走行での快適な移動
・地方の活性化
・二酸化炭素排出の減少
交通分野の最大の変化は大量の情報収集に支えられた自動運転です。
特に注目されるのがMaaSです。MaaSとは「出発地から目的地までの移動を一つのサービスとして提供する」というサービスです。
MaaSではバス、タクシー、自転車シェア、カーシェアなど様々な交通手段を組み合わせて、最適な移動を交通サブスクリプションモデル(定額制)で利用できます。
より詳しく知りたい方は「MaaSとは 移動の革命が起きる!!!」をご覧ください。
これによって移動が圧倒的に便利かつ快適になり、地方の格差解消にも大きく貢献します。また移動の最適化は温室効果ガスの減少にも大きく役に立つでしょう。
Society5.0における「医療・介護」
医療・介護分野で収集・解析される情報
・各個人のリアルタイムの生体データ
・感染症流行のリアルタイム情報
医療分野もリアルタイム性と個人に向けた多数同時接続が非常に大切な分野です。通信技術のボトルネックが解消されれば、今まで活用できなかった個人・社会の医療情報が有効に利用できるようになります。
医療・介護分野で何ができるようになるか
・健康寿命の増進
・地域格差の解決
・無人自動車/ドローンによる薬の配布
個人の生体データをリアルタイムで見ることで、病気になり症状が出る前にその状態を察知することができます。病気にならないための一次予防や、早期発見のための二次予防が可能になり、健康日本21の最大の課題であった「健康寿命の増進」が期待できます。
また遠隔診療によって地域格差の解消や生活の質の向上にも役立つでしょう。
Society5.0における「エネルギー」
エネルギー分野で収集・解析される情報
・発電所の稼働状況
・各家庭での使用状況
各発電所ごとの供給状況は今までも把握できていました。これから期待されるのは天候や水量などの気象状況を踏まえた、多様なエネルギーの状況把握です。
エネルギー分野で何ができるようになるか
・エネルギーの安定供給
・環境負荷の軽減
各家庭ごと、各家電ごとの電力使用量をリアルタイムで推定することにより、効率的に電力を供給するようコントロールが可能になります。
また各家電がインターネットにつながることで各家庭での省エネを実現できるようになるでしょう。
まとめ
今回はSociety5.0の社会で工業、交通、医療、エネルギーの各分野がどのように変化していくかまとめてきました。
社会全体が変化するため、今回取り上げたテーマ以外にも農業・漁業・教育・物流・防災・観光・娯楽・公共サービスなど様々な分野でデータの利活用が起こり、変化していくでしょう。
自分に関係のあるこれらの分野がどのように変化していくか楽しみですね。
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