2021年に入ってもビットコインは最高値を更新し続けています(2021年1月1日時点で1BTC=303万円)。
2017年にビットコインバブルが起き、その最高額でも1BTC=220万円だったことを考えると今の盛り上がりはすごいですね。
今回はバブルが起きたり大規模な盗難が起きたりと世間を騒がせているビットコインなどの仮想通貨について分かりやすくお話していきます。
仮想通貨を投資対象として考えている方、仮想通貨がもたらす将来がどうなるかに興味のある方のお役に立てれば幸いです。
仮想通貨とは
仮想通貨とは「ブロックチェーン技術で作られた電子的な通貨」です。
仮想通貨は取引所を介して取引が行われ、ウォレットという専用の財布に紐づけられていいます。
仮想通貨の最大の特徴は特定の国に属さないということです。
円やドルなどの法定通貨は、日本やアメリカといった国がその背後に管理者として存在しています。
しかし仮想通貨は専用のブロックチェーンのP2Pシステムという分散型台帳で管理されているため、特定の国に属さない通貨ということができるのです。
物々交換の時代以降、通貨は時の権力者のもとで発行され、権力者の信用の下をベースにして成り立っていました。今の法定通貨も「国」という権力者の管理の下で成り立っているため、過去の延長線上の仕組みにすぎません。
しかしブロックチェーンを用いた仮想通貨は管理者が存在せず、全ての参加者が横並びという、通貨の歴史を変えるような大変革です。
仮想通貨の土台となるブロックチェーンについてより詳しく知りたい方はブロックチェーンとは 一体何がすごいのか?をご覧ください。
仮想通貨と電子マネー
インターネット上に存在する電子的な通貨というと真っ先に思い浮かぶのは電子マネーではないでしょうか?仮想通貨と電子マネーの違いははよく混乱してしまうのここで整理してみます。
電子マネー
電子マネーは現金に変わる決済手段です。
電子マネーを利用するときは、プリペイド方式で現金を電子マネーに変換したり、クレジットカードと紐付けたりして、決済を行います。そのため、電子マネーは給料の支払いや貯金・投資など決済以外の手段として使われることはありません。
また電子マネー自体に価値があるわけでもないので電子マネーを現金に換えることはできません。
仮想通貨
仮想通貨は財産的価値であり、通貨そのものに価値があります。そのため換金も自由で、決済手段の他に、投資・貯蓄などを始めとする現金同様の使い方が可能です。
また仮想通貨はブロックチェーンで管理されており、電子マネーのような発行元や管理者がいないというのも大きな違いと言えます。
通貨としての仮想通貨
仮想通貨は法定通貨に代わる通貨となるのか?通貨として有用なのか?この質問に対する現時点での答えは「有用なものはまだ現れていない」です。
通貨には満たすべき三要素があります。
- 財とサービスの交換手段
- 価値を保存する手段
- 価値を図る手段
ビットコインを始めとする現在の多くの仮想通貨は、3番目の価値を図る手段という要素が圧倒的に欠落しています。
ビットコインの値段は日々大きく上下します。それはビットコインの価値が不安定であるということです。価値を図る手段としてのビットコインは、目盛の幅が日々異なる定規のようで有用とは言えません。
法定通貨に連動するように作られた三菱UFJ銀行のMUFGコインのような安定した価値のある仮想通貨も存在していますが、規模が小さく普及はまだまだ遠いです。
ですが、この課題をクリアして通貨としての役割を十分に果たせる次の仮想通貨がこれから現れる可能性は大いにあります。
仮想通貨の市場規模の変化
ここでは仮想通貨はどんな通貨がどれくらいの量扱われているのかについてお話していきます。
こちらは現在の全ての仮想通貨の時価総額です。2020年12月31日時点では76兆円です。2017年の仮想通貨バブルの上昇などが目立ちますが全体としては右肩上がりで、特に2020年の上昇の勢いはすごかったです。
こちらが仮想通貨ごとの時価総額です。中でもビットコインの存在感は圧倒的で、56兆円の時価総額と仮想通貨全体の中の70%以上を占めています。
仮想通貨はビットコインとその他のアルトコインに分けられます。アルトとは代替という意味です。ビットコインの代替になる可能性を秘めたコインという呼ばれ方がするほど、ビットコインの存在感が大きいのが分かりますね。
仮想通貨の種類
ビットコイン(BTC)
ビットコインは言わずも知れた仮想通貨の代表例です。
ブロックチェーン技術によって最初に生まれた仮想通貨で、決済手段としての機能がメインになります。ですが現在のビットコインはデジタルゴールドと呼ばれ、「金」のような投資対象として扱われることがほとんどです。
ビットコインの取引(トランザクション)を承認する作業(マイニング)の報酬としてのみ、ビットコインが発行されます。発行される枚数も2100万枚とあらかじめ決められており、2021年1月1日時点では全体の88%が発行済みです。
このような仕組みによって希少性が生み出され、価値の上がりやすいシステムとなっているのです。
イーサリアム(ETH)
イーサリアム(ETH)はブロックチェーンに次ぐ2位の総額を誇る仮想通貨です。
イーサリアムは発行上限がきめられていないという特徴があります。
実は「イーサリアム」は通貨の名前ではなく、イーサリアムブロックチェーン上を用いてソフトウェアを作るプラットフォームの名前です。イーサリアムシステムを運用していくために必要な作業を行う報酬(マイニング報酬)として、仮想通貨「Ether(イーサ)」があります。
ですがイーサリアムという呼び名はこの仮想通貨(ETH)を指して用いられることが多いです。
イーサリアム(ETH)にてついてどのような特徴があり、今後どうなっていくのかに興味のある方は「仮想通貨としてのイーサリアム イーサリアムの特徴を分かりやすく解説」をご覧ください。
リップル(XRP)
リップルは取引総額4位の仮想通貨で日本での人気が高い仮想通貨です。リップルの発行上限は1000億枚です。そのうちすべてが発行済みで、徐々に市場に放出される仕組みになっています。
リップルの強味は国際送金にあります。国際送金を速く安く安全に行うためのブリッジ通貨(国際送金の際の異なる通貨の橋渡しになる通貨)として利用されています。
国際送金×ブロックチェーンという面白い特徴を持ったリップルについて、どのような特徴があるのか?他のコインと何が違うのか興味のある方は「仮想通貨としてのリップル 初めてのリップルを分かりやすく解説」をご覧ください。
リブラ
LibraはFacebookを中心とする企業連合が提案した仮想通貨です。2019年6月に発表され、世界中で大きなニュースになりました。
リブラの特徴はステーブルコインだということです。ステーブルコインとは価値が安定している仮想通貨のことです。リブラのバックにある28社の大企業がリブラの価値を保証することで価値の安定化を図ります。
2020年12月31日時点ではまだ利用されていません。しかし、これが成功すれば、ビットコインが通貨になれなかった課題(価値の変動が大きいく、尺度として不適切)を克服したことになるため、大きな注目を集めている仮想通貨です。
まとめ
ブロックチェーン技術を通貨に応用した仮想通貨について見てきました。
仮想通貨の種類は7000を超えるといわれており、まさに百花繚乱です。この中から特に優れた特徴を持った仮想通貨が頭角を現し、これからの世界に大きな影響を与えるようになるでしょう。
仮想通貨関連のニュースもこのような基礎知識を持ってみてみると楽しいかもしれませんね。
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