今回はBATH(バス)という中国の巨大テクノロジー企業についてのお話です。
世界のテクノロジーを語るうえで、GAFAと共に欠かすことのできない存在、そんなBATHについて今日は勉強していきましょう!
GAFAに比べるとBATHの日本での知名度はいまいちかもしれません。しかし中国のテクノロジー企業もGAFAと同様に、今後の世界を過ごすうえでとても重要な存在になること間違いなしです。
「GAFAって何?」「どんな企業がどんなビジネスをしているの?」と気になった方はGAFAとは?~世界を統べる巨大IT企業たち~をご覧ください。
GAFAは知ってるけどBATHって何?
BATHとは
BATH(バス)とは中国の巨大IT企業「Baidu(バイドゥ)」「Alibaba(アリババ)」「Tencent(テンセント)」「Huawei(ファーウェイ)」の頭文字をとって作った言葉です。
アメリカの巨大IT企業群にGAFAというものがありましたが、BATHはその中国版でGAFAの対になる存在として注目を浴びています。
BATHの特徴
BATHの特徴はどの企業も深圳(しんせん)に本社を置いていることです。
深圳とは香港のすぐ隣にある都市で、国がその経済発展を支援する経済特区にしていされています。その結果、深圳は「アジアのシリコンバレー」と呼ばれるほどハイテク企業がひしめき合っており、現在の中国発展の原動力となっている都市です。
BATHの強み
BATHの強みは14億人の中国市場をほぼ独占している点です。
中国政府は中国国内でのGAFAの活動を制限しています。現にGAFAのアプリなどは中国に旅行に行くと全く使えなくなってしまうようです。
その空白地帯を埋めるように頭角を現してきたのがBATHの企業です。BATHは人口1位、経済力2位の国で覇権的な地位を築くことに成功ています。
それではここからは各企業について見ていきましょう
Baidu 検索エンジンサービスの最大手企業
Baiduは「中国のGoogle」と呼ばれる検索エンジンサービスの最大手企業です。
ミッションは「テクノロジーで複雑な世界をもっとシンプルに」
検索サービスによるデータ収集を活かして、最適な広告を載せることを収益の柱としています。ほかにも翻訳サービス、地図サービスも行っています。
中国では独り勝ちのBaiduですが、Googleのサービスやビジネスをコピーしているだけとの指摘もあり、世界的に見ればパッとしない印象があるのも事実です。
そんなBaiduが起死回生を図るのがAI事業です。
多大な投資を行っており、対話型AI「Duer OS」や自動運転技術「アポロ」を繰り広げています。
特にアポロ計画はダイムラー・フォード・BMW・ボルボなど世界中の資本と提携しており、既に深圳の街には上の写真のような自動運転車が走っています。
Alibaba もはや社会インフラ
Alibabaは中国の社会インフラとなった巨大企業です。EC(オンラインショッピング)が事業の中心でしたが、そのビジネスは幅広く、「中国のAmazon」と呼ぶのは適切ではありません。
ミッションは「あらゆるビジネスの可能性を広げる力になる」
Alibabaの事業の中心はEC事業です。「天猫(T-mall)」というAmazonのようなB to Cサイトに加え、「淘宝(タオバオ)」というメルカリのようなC to Cサイトを運営し、売り上げの多い日には1日に4兆円を販売します。
それに加えEC事業から派生した物流事業や、「フーマー」といったリアル店舗販売も行っています。フーマーは実店舗でも購入でき、オンラインで注文すれば30分以内に届けてくれるという私たちからしたら夢のようなスーパーですね。
また「アリペイ」という電子決済サービスや「アントファイナンシャル」による小規模金融事業も大成功を収めており、今の中国の生活には欠かすことのできない社会インフラとなっています。
創業者は「ジャック・マー」です。
彼は中国のためのインフラの整備や社会問題解決も目標にしています。実際に農村タオバオや農産物のネット流通といった零細企業のためのプラットフォームサービスが展開されているのです。
公共心とビジネス力、カリスマ性を備えたジャックマーは多大なる尊敬を集めています。
Tencent SNS企業からオンラインサービスの百貨店へ
Tencentはオンラインサービスの百貨店のような企業です。
ミッションは「インターネットの付加価値サービスによって、生活の品質を向上させる」
TencentはFacebookの対になる企業という認識ですが、事業はより幅広いです。まず10億人以上のユーザーを持つSNSサービスがあります。
「QQ」というメール事業、「We Chat」というLINEのようなSNS、「Qゾーン」というFacebookのようなSNSを展開しています。LINEやTwitterの利用者数が2億人ほどと考えると10億の利用者というのはすごいですね。
テンセントはSNSで獲得したユーザーに対し、ゲーム・動画・映画・本・音楽などのサービスを展開し、課金によって収益を上げています。
ここがFacebookと大きく異なる点です。Facebookの収益は広告によるものでしたが、Tencentはゲーム企業のような収益の上げ方をしているのです。
医療分野にも投資を行っており、AI医療画像やスマート医療の実現にも取り組んでいます。
「We Chat Pay」による電子決済サービスも普及しており、Alibabaのアリペイと並び中国のキャッシュレス化の立役者です。
フィンテックとは「金融(finance)」と「技術(technology)」を掛け合わせた言葉です。現在中国は世界のフィンテックの最先端を走っています。それをけん引するのがアリババとテンセントです。中国のフィンテックの現状について分かりやすくまとめた「中国・インドのフィンテック」も是非ご覧ください。
Huawei 世界最先端技術を持つハードウェア企業
Huaweiは世界最先端技術を持つハードウェア企業です。
ミッションは「あらゆる人、家族、組織にデジタル化の価値を提供し、 全てがつながったインテリジェントな世界を実現する」
Huaweiは世界第2位のスマートフォン企業です。(1位は韓国のサムスン、3位がアメリカのApple)
しかしそれだけでなく移動通信システムのトップシェアでもあります(2位はスウェーデンのエリクソン)。実際に5Gの特許を世界で最も保有しており、日本の携帯キャリア会社も基地局を採用しています。
Appleがスマートフォンとapple musicなどのサービスの会社なのに対して、Huaweiはスマートフォンと通信事業の会社なのですね。
Huaweiで特筆するべきはその研究開発費の多さです。売り上げの10%以上を研究開発費にあてており、これはトヨタやAppleをも上回る額です。この豊富な資金でさらなる革新的技術を狙っているのです。
GAFAとBATHのビスネスや売り上げ、時価総額を比較したGAFA vs BATH徹底比較をご覧になりたい方はこちら。
まとめ
ここまで見てきたようにBATHは中国の巨大市場を背景にGAFAに迫るような勢いを見せています。
これらのサービスがより普及し、もっと身近な存在になっていくでしょう。
より便利でワクワクする魅力的なサービスが普及すると考えるとこれらの企業から目が離せませんね!
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