ビッグデータとは 世界中の企業が求め争う「21世紀の石油」

AI

「ビッグデータ」という言葉を最近よく耳にするようになりました。

「よく分からないけど大量のデータが扱われている。」「データを集められると個人の本性が丸裸にされてしまうって本当?」そんなふんわりしたイメージや漠然とした不安をお持ちの方も多いと思います。

今回はそんな正確にはつかめていないビッグデータについて、その定義や特徴、活用例についてまとめていきます。

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ビッグデータとは

ビッグデータとは「分析することで経済的価値が生み出せるデータ」のことです。

直訳すると「大量のデータ」となるのですが、ただ量が多いだけだはビッグデータとは言えません。

例えば役所には大量の個人情報が保管されていますが、それらは分析されたり、経済的価値を生み出すような利用をされたりしないため、ビッグデータとは言われません。

ビッグデータは量や内容と同時に、「有効に利用され、価値を生み出すか」という視点が大切になってくるのです。

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ビッグデータの特徴

ビッグデータと呼ばれるものは3つの特徴を持ちます。

それが「多様性」「速度・頻度」「容量」です。

  1. 多様性:文章だけでなく。画像・音声といった多様な情報
  2. 速度・頻度:リアルタイムなデータなど、時間的に解像度の高い情報
  3. 容量:数十テラ~数ペタバイトほどの膨大なデータ

ビッグデータとは何?と聞かれたとき、「分析することで経済的に価値のある、様々な形式の膨大なデータだよ」と答えられたら完璧ですね!

発展の背景

ビッグデータが躍進する原因となったのが人工知能・インターネット・情報処理技術の発展です。

人工知能

今までもデータを蓄えることはあったのですが、それを有効に利用することはできませんでした。

しかし機械学習する人工知能の登場でこの状況が変わります。

上図のようにディープラーニングによる機械学習では、データを入力するだけで、機械がひとりで学習し、最適解を提出してくれます。

詳しく知りたい方は「AI 人工知能について」をご覧ください。

これにより処理できるデータ量が大幅に増え、またAIの制度を上げるためのツールとしてビッグデータの重要性が増加しました。

インターネット

インターネットの普及によりデータの収集がとても簡単になりました。

現在はインターネットやSNSの利用者の情報が自動的にビッグデータとして保存されているため、何もしなくても毎秒膨大なデータを入手することができます。

またPC・スマホだけでなくIoT機器が増加することで、更に多様なデータが得られるようになっていくでしょう。

IoTとは「モノのインターネット」といい、様々なものがインターネットに繋がっている状態です。あらゆるものからの情報収集が可能になるため、IoTはビッグデータと切っても切れない関わりを持ちます。IoTについて詳しく知りたい方は「IoTとは 1人1000台のデバイスを持つ時代」をご覧ください。

情報処理技術の発展

かつてはハードウェアの性能がデータ量の増大に追いついていませんでした。

ここで登場したHadoopはデータ処理を複数のコンピューターに分散して、並列に行うことを可能にし、膨大なデータの処理能力の向上に寄与しました。

ビッグデータ活用の分類

ビッグデータはその利用のされ方から4つに分類されています。

出典:総務省 ビッグデータの定義及び範囲

オープンデータ(国・自治体)

オープンデータとは国や自治体が所有する公共情報です。総務省のサイトからアクセスすることができ、誰でも利用することができます。

その内容は幅広く、政府機関、医療・健康、 金融・経済、ビジネス・企業、ジャーナリズム・メディア、不動産・観光、文化・教育まで多岐にわたります。

2016年に官民データ活用推進基本法ができ、より活発なデータの利用を促しています。

ノウハウを構造化したデータ(企業)

企業や農業の経験やノウハウをデータ化したものです。

これにより一握りのプロの経験に任せていた従来の状況を脱して、人事異動や引退に左右されない状況を作ることができます。

後世のためのデータ利用といえます。

M2Mデータ(企業)

M2M(Machine to Machine)データは機械に取り付けられたセンサーからのデータです。

例えば工場等の生産現場や橋梁、道路に設置されたIoT機器からのデータなどがそれにあたります。

これらのデータを分析することで、売上情報や作業情報、在庫データがリアルタイムで分かり、より効率的な運営を行うことができます。

パーソナルデータ(個人)

個人の属性情報、移動・行動・購買履歴、ウェアラブル機器から収集された個人情報のことです。

またSNSの利用から判明する交友関係など、個人と関係性が見出される広範囲の情報もここに入ります。

ビッグデータ活用例

ここではビッグデータを活用している取り組みの中で、回転すしチェーンの「スシロー」を取り上げて紹介していきます。

スシローでは寿司皿にICチップをつけたデータの収集が行われています。

回転すし総合管理システム スシローHPより

これによりどこの店で、何の寿司ネタが、いつ、どのテーブルで注文されたかという情報が膨大に積みあがっていきます。

来店客の層や、ニーズを把握し、どの寿司をどれくらい作るかが最適化されたため、食品の廃棄量が四分の一に減少しました。

スシローによると「これらはほんの一握り」とのことです。

企業がM2Mデータを利用して業務の最適化を図った有効な一例だと考えます。

ビッグデータのハイプサイクル

ハイプサイクルとはガードナーという会社が毎年発表する、「テクノロジーの地図」のようなものです。ハイプサイクルについて詳しくはハイプサイクルとは? ~現在のテクノロジーが一目で分かる~をご覧ください。

ビッグデータのハイプサイクルはこちらです。

2018年に「安定期に達する前に陳腐化」すると判断されたため、それ以降のデータは出されていません。

これはビッグデータをテクノロジーとして追うのをやめるというだけで、その重要性が失われたわけではありません。

現在の状況を推定するに、普及はしてきているもののIoT機器の発展によりもう一段階の変化が予測されるため、啓蒙活動期と生産の安定期の狭間ぐらいなのかなと私は考えます。

まとめ

ビッグデータは「分析することで経済的価値が生み出せる大量のデータ」です。

そしてこれはAIやIoTと抜群の相性を持っており、協調することで大きな変化をもたらすでしょう。

私はビッグデータというとGAFAのパーソナルデータの扱いに目が行きがちでしたが、M2Mデータやノウハウのビッグデータ化などの概念に触れ、その幅広さを改めて認識することができました。

テクノロジーの掛け算の持つ無限の可能性を考えるとわくわくしますね!

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