IoTとは 1人1000台のデバイスを持つ時代

テクノロジー基礎編

IoTという言を聞いたことがあるでしょうか?

IoTとは「様々なものがインターネットにつながる」ことです。

IoTは私たちの生活に着実に浸透してきており、今後はIoT無しでは語れないほど産業や生活を変化させることになるでしょう。

今回はそんなIoTについての情報を基礎からまとめていきます。

スポンサーリンク

IoTとは

IoT(Internet of Things)は日本語で「モノのインターネット」と呼ばれています。あらゆるものがインターネットに繋がっている状態のことを指します。

現在インターネットにつながっているものといえばスマホやパソコンが、IoTの世界では家電や自動車、ビル、工場など様々なものがインターネットにつながります。

現在は1人1台スマホをもって常時インターネットに繋がっているという時代です。しかしこれからはIoTが普及することで、1人1000台ほどのインターネットに繋がったデバイスを持つ時代になると言われています。

スマホやパソコンがインターネットにつながる利点は想像できるのですが、その他のものがインターネットにつながると何が変わるのでしょうか?

スポンサーリンク

3種類のIoT製品

今回はIoT製品は機能の点から3種類に分けて説明していきます。

モノを操作する製品

まず一つ目の種類はインターネットに接続されたモノを操作する製品です。

家中の家電をIoT化した、スマートホームでは部屋の外からはスマホで、中からは音声アシスタントで空調、照明、掃除、洗濯を指示することができます。

モノの状態が分かる製品

二つ目はセンサーを使うことでモノの状態を知ることができる製品です。

例えばエアコンに様々なセンサーを接続することで、温度・湿度に加えて家具や人の配置から最適な風力調整をすることができます。

また車や工場の機械の使用状況や劣化情報が遂次判明したら、突然壊れることや有効活用できていない状態を防ぐことができます。

モノ同士で情報を共有する製品

三つめはモノ同士で情報共有する製品です。

インターネットに繋がった車は周囲の混雑状況を認識し、それを車同士や信号と通信することで、より安全に最適な経路で動くことができます。

IoTによるデータ活用

IoTにおいては上記のように様々なメリットがありますが、中でも最も大きな変化はデータの活用です。

世界には毎秒ごとに大量のデータが生まれていますが、そのほとんどは現状の改善に生かされません。

しかしIoTによって、今まで活用されなかったデータが利用され、生活をよりよくします

出典:総務省 IoTデータ活用の全体像

この図はIoTによるデータ利用の様子を4段階に分けたものです。

1.データの収集:IoT製品に搭載されたセンサーで、人間の五感に加え電波や紫外線、利用状況などのデータが得られます。

2.データの蓄積:IoT機器が収集したデータはクラウド等のサーバに送信され保存されます。円滑なデータの集約と蓄積が行われます。

3.データの分析:ここで利用されるのが人工知能です。膨大なデータを分析し、機器や人間に反映するべき近い将来の予測がたてられます。

4.分析に基づく作動:人工知能が出した結論をもとに機器が作動したり人間の行動が変化します。

例:冷蔵庫をその一例として考えてみます。

1.冷蔵庫内のカメラがその中の食材の画像を撮る(データの収集)。

2.その画像をサーバに送信し(データの蓄積)

3.AIがその食材から作ることのできるメニューを提案したり、少なくなっている食品を知らせる(データの分析)

4.スマホに送られてきた情報を見て、不足した食材を買い足し、提案された中で気に入った料理を作ってみる(分析に基づく作動)

便利ですね~。冷蔵庫の一例でこれなら、あらゆるものにインターネットにつながった時どれほど生活が変わるのか想像すらつきません。

どんな分野に応用されていくの?

出典:総務省 IoT化する情報通信産業

上図は総務省が予測したIoT製品の推移です。少し古いデータですがその傾向をがつかめます。

通信やコンピューターはすでに成熟しきっており、これからも変化は少なそうです。

産業用途コンシューマー(一般消費者向けの製品・家電など)は成長率・デバイス数ともにとても大きく、その市場やもたらす影響の大きさが窺えます。

デバイス数は大きくないものの、自動車・医療・宇宙航空なども高い成長率をしめしており、非常に期待されている分野だということが分かります。

人間もインターネットに繋がる時代

日本ではなじみが薄いですが、スウェーデンをはじめとしたヨーロッパではすでに体内にチップを埋め込む試みが始まっていることをご存じでしょうか?

写真のようなコメ粒ほどのマイクロチップを、親指と人差し指の間に埋め込みます。

チップは電子決済や、セキュリティー身分証明会員カードなどの機能を果たせるようにできており、鍵や財布、書類にカードを失くす心配も、持ち歩く面倒もなくなります。

これらのほかにもGPS機能や音声認識、体温・脈拍・呼吸数などのバイタルサインやホルモンの測定機能を追加する研究がすすめられています。

この流れはこれからも加速していき、近い将来マイクロチップからデータを取得し、様々なものを個人向けカスタマイズする傾向が強まるでしょう。

私たちからすると不安の気持ちが強いですが、より改善された状態で日本にも広まるかもしれませんね。

IoTの問題点

多くの可能性を持つIoTですが、次はその問題点について考えてみましょう。

一つ目の課題はセキュリティーです。様々なものがインターネットに繋がっているがために、ハッキングを受けた時の被害は甚大です。

映画サマーウォーズにて仮想世界のOZが暴走したせいで、現実世界のインフラが乱れ大混乱するあのイメージでしょうか…?

二つ目の課題は個人情報の保護です。

個人情報は「21世紀の石油」と呼ばれ、様々な価値を生み出すのに利用することができます。

IoTはデータを収集・利用するため、どこまでの情報を企業や自治体に渡し、どこまでを自分が保持するのかという線引きがとても難しいです。

IoTのハイプサイクル

ハイプサイクルとはガードナーという会社が毎年発表する、「テクノロジーの地図」のようなものです。ハイプサイクルについて詳しくはハイプサイクルとは? ~現在のテクノロジーが一目で分かる~をご覧ください。

IoTのハイプサイクルがこちらです。

2020年現在IoTは幻滅期です。そして毎年の進み幅が少ないですね。

スマートスピーカーやルンバなどがインターネットに繋がり始めたことを考えると、確かに様々なものがインターネットに繋がるというのはもう少し先なのかもしれません。

またIoTが活躍するには5Gを始めとする通信技術やAIとの協力が不可欠です。

他の技術も発展する必要があるというのが足枷となって、ハイプサイクルの毎年の進みがゆっくりになっている可能性があります。

IoTを支える通信技術

スマホ関連でよく使われているWiFiやBluetoothからテレビのリモコンまで、ありとあらゆる通信技術がIoT時代には利用されることになるでしょう。これからは各通信技術の特徴やその長所と短所を理解することが求められるのです。

IoT時代に重要となる各通信技術についてより詳しく知りたい方は「IoTを支える通信技術」をご覧ください。

その中で特に注目されているのが5Gです。次世代の通信で可能になること、道のりなどについては「話題の5Gで世界はどう変わる?」「5Gの現状とこれから」をご覧ください。

また、5Gと並んでIoT時代の主役として期待されているLPWAについては「LPWAとは? IoT時代の主要通信なるか!?」がおすすめです。

まとめ

IoTはAIや5G、クラウドなど様々な技術と組み合わせることでその可能性が広がる技術です。

掛け算の項の一つであるがゆえに、IoTが生み出すサービスの幅はとても広いです。

どんな変化が起きるのか想像するのも楽しいですし、自分がよく知る分野においてIoTがどのように活用できるのか考えてみるのもいいかもしれませんね!

コメント

タイトルとURLをコピーしました